インドア派の僕は、人を家に呼んでボードゲームなどを嗜む。
ゲームを作る仕事をしていると自然とゲーム好きの知り合いは増えるわけで、 ひとたび集えば色とりどりのゲームが集まったりする。 それぞれお気に入りのゲームもあれば、まだ遊んだことのないゲームもたくさんある。 これは楽しい。
図はフレーバーが素晴らしいと最近話題の、徳の高いゲーム「枯山水」をプレイしている様子。
趣きがある。
僕はビデオゲームも好きだが、アナログゲームはまた違った味わい深さがあるものだ。 コンポーネントの手触りとか、顔を合わせてやる対人ゲームならではの雰囲気とかね。
また、アナログゲームはゲームデザインの勉強にも適している。 ビデオゲームと違って音や見た目のエフェクトで味付けができない分、 ゲームの面白さの核となるルール(ゲームメカニクス) のデザインがより浮き彫りになるからだ。
ビデオゲームは表現の幅が大きいことが魅力でもあるが、 ともするとゲームとしての面白さの部分を雰囲気でごまかした作り方もできてしまう。 それはそれでアートや映像作品として成り立っているかもしれないが、 やはりゲームはゲームの部分が面白いものであってほしい。
ということでアナログゲームを遊ぶことは、 ビデオゲームを作る上でのヒントにもなると僕は思っている。
先日、東京ビッグサイトで開催された ゲームマーケット に行ってきた。アナログゲームのイベントで、個人製作のボードゲームが売られていたり、 それを試遊できたりする場だ。たくさんの人がゲームを売り買いしたり、遊んだり遊ばせたりしていた。 回を重ねるごとにお客さんの動員数も増えているらしい。
リッチなビデオゲームが随分発展した昨今ではあるが、 最近ではこの素朴なボードゲームが再び人気を獲得しつつあるように思う。 会話ゲームである人狼もそれなりに大衆化されてきたようで、一部の人の間でブームを起こしている。
僕も今年に入ってから知り合いに勧められて人狼ゲームをやるようになったが、 もうかれこれ 50 戦以上、会社の人たちとプレイしている。 (まさかこんなに長く楽しめるゲームとは思っていなかった)
人狼ゲームに集まる人を見ると、男女比や職種、キャラクターが多種多様であるところが興味深い。 良いアナログゲームには、老若男女が楽しめる感じがある。 このあたりにアナログゲームのポテンシャルがあるのだろう。
仲間内で、ゲームマーケットで売られているような個人製作のゲームをいくつか遊んでみた。
「ギャングスターパラダイス」は誰が敵か味方かを探りながら、 チームの勝利を目指す正体隠匿系の対戦ゲーム。 イラストのテイストもかっこよく、人狼的な駆け引きを楽しめるゲームだった。
ちょっとゲームバランスが大味な感じがしたのと、細かいルールがよくわからない部分があったが、 そこはインディーズゲーム、何度もプレイされることでこれからより良くなっていくのだろう。
「クリミナルズ」はコンポーネントの見た目が気に入ってジャケ買いした作品。 部分的な情報を頼りにカマをかけあって、罠を突破するための手札を作る …みたいなゲームだったけどマニュアルの説明がシンプルすぎてルールの理解に時間がかかってしまった。 ちょっと運ゲー感も強くてそんなに盛り上がらなくて残念。
ボードゲームの難しいところは、何と言っても導入の敷居の高さだと思う。 ルールを理解するところもそうだし、難しいゲームだと戦略を学ぶにも何回かプレイしなくてはいけない。 この点、システムによるチュートリアルや情報の段階的開示という手法がとれるビデオゲームは強い。
「モテねば。」というゲームは高校生活 3 年間で女の子にたくさんモテることを目指すゲーム。 モテトレンドを操作することがゲームのキモになっている。
フレーバーも相まって、これは誰とやっても毎回盛り上がる良い作品だ。 カジュアルな見た目だがゲームデザインはしっかりしていて、 やりだすと真剣に考えるガチなゲームプレイになっていくのが面白かった。
ボードゲームを遊んでいると、ボードゲームにも多くのジャンルがあって、 様々なタイプの「面白さを生む仕組み」があることに気づく。 これを自分のゲームづくりに活かせるように、自分のノートにまとめておくことにした。
僕も何かオリジナルの面白さを作り出したいところ。 実際に「単純なコピーでない面白さ」を考えてまとめ上げようとすると非常に難しいので、 世の面白いゲームを生み出した人たちはすごいなぁと改めて思う。
色々なゲームで遊んだけど、僕は割とその人独自の感性とか考え方が活きるようなゲームが好きだ。 人狼みたいな会話ゲームとか、色んなやり方ができるラミーキューブとか。
お気に入りは Dixit かな。やると毎回笑いが絶えないし、 勝敗はあるけど誰も傷つかない感じがある素敵なゲーム。